メタいゲーム、メタい作品、メタいSCP… 第四の壁の向こう側、例えば作者やプレイヤー自身、に言及するような作品をよく「メタい」というが、それらは現実世界に対して何かしらの働きかけをしようとして、その実、それに失敗していることが多い。というのも、彼らが言及しているのは「第四の壁の向こう側」という抽象概念であって、実在する個別具体的な概念について何も言っていないことが多いからだ。確かに「メタい」ゲームの中でも何回か実在のゲームに対して言及されることはあるが、そういった固有名詞で埋め尽くされたようなゲームは見たことがない。それどころか、そういう演出は馴れ合いのような感じがして気持ち悪いという意見も存在する。気持ち悪いのならば、自分の知っている古今東西のありとあらゆる固有名詞を登場させ、それらを物語という一本の糸で結びあわせて気持ち悪さを打ち消してしまえば良いのではないだろうか?抽象的な「メタ性」が主役になるではなく、具体的な「メタ性」が主役になった方が面白くなる!
…といったことをジョイスの百合シーズンの最初の方だけ読んで思った。