裁判所で、怪異現象が裁かれている 4人組くらいにまとめられて、審議がおこなわれている
怪異の専門家として、数名の教授が招かれている そのうちの一人が(教授と言ってもまだ子どもにしかみえないがれっきとした専門家らしい)、ガラス球体のような形をした怪異に対して、なにか人差し指で合図を送った
人差し指に焦点を当てること、ガラスの玉に焦点を当てること
いままで、その怪異は、人差し指をつかってガラス玉をなぞることで、画面のスクロールのようなことをしていた
それがずっと当たり前すぎて、そもそも自分に身体が存在することや、人差し指で操作をしていることに、ずっと気づいていなかった
ガラスの玉が自分自身だとずっとおもっていた
ところが自分には身体が存在して、人差し指が存在するということに気づいてしまった
そのことに気づいた瞬間、身体はガラスの玉を脱して、自由に歩き回ることができるようになる
持ち主を失ったガラスの玉に、ヒビが入って割れる
そうして裁判所の自動ドアから出ていき、自由の身になる
裁判所の職員が、急に開いた自動ドアを一瞬だけ不審がるが、機械の誤作動だと思って事務手続きに戻る
(あとがき)閉塞的なディストピア的な官僚システムの中にも、良心のあるひとが多少はいて、オカルトさえあれば、悟りやメディア性を通して、人道というものを実践しているという、じんわりといい話だなあ。