「xに対してはこう言っていたのにyに対してはそう言ってない(あるいは逆のことをいっている)!ダブルスタンダードだ!」ってやつ、大抵は詭弁だと思う。ダブルスタンダードという概念を一体だれが発明したか知らんが、そもそも世の中のあらゆることに対して意見を言うことは出来ないし、またそれぞれの特殊な文脈があるから言わなかったり逆のことを言ったりするわけであって、そういう事情を無視している「ダブルスタンダード」なる概念はほとんどの場合、詭弁だろう。なんというか、人間がいかに物事を考えているのか、それを表現しているのかみたいな、常識的な情報の読み取り方(メディアリテラシー)を知らないんだな…って感じ。特殊な文脈が既に説明されているにもかかわらず意図的に?無視するという悪質なケースもある。関数の定義が決まっていて、考慮の対象にしなければならない全ての要素(変数)を過不足なく列挙できる純粋数学の世界ならともかく、現実世界においてダブルスタンダードというのはまずあり得ないだろう。なんにせよ、ダブルスタンダードという言葉はそれそのものが非常に強い反知性主義的側面を有しているので、強い警戒心を持って立ち向かわなければならない。